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【準備~後片付けまで!】職業焚火人が教える焚火の全て

【連載企画】タキビストBo-taの焚火ばなし

今回は、職業焚火人であるタキビストBo-taさんに焚火のやり方についてレクチャーしていただきました!
【前回はこちら~「美しいストーリーはない。ただただ炎に見惚れたから」 ——職業焚火士が生まれた背景に迫る~】

貴方もタキビストになりませんか?

スマホ越しに眺める美しく踊る炎。
「自分でもやってみたいけれど、火を扱うのって少し怖いかも」「どうやって火をつけたらいいか分からないし、後片付けも不安……」
そんな風に思っていませんか?

最初は誰だって初心者。
焚火は正しい知識と少しのコツさえつかめば、日常のストレスをすーっと忘れさせてくれる最高の癒やし時間になります。
自分自身を見つめる良い時間にもなり、人と囲めば心も開きやすくなって会話も弾みます。

今回は、初めての方でも安心して楽しめる焚火の基本マナーとテクニックをご紹介します!
「人生に、火遊びを。」 
これさえ読めば、貴方もタキビストに。

 

焚火を始める前に!絶対に忘れてはいけない「消火バケツ」

焚火を楽しむためのアイテムをご紹介する前に、何よりも先にお伝えしたいことがあります。それは消火バケツの準備です。

設営が終わり、「さあ火を熾そう!」とテンションが上がる気持ちはとても分かります。しかし、火を点ける前に絶対に忘れてはいけないのが、すぐ手の届くところに「たっぷりの水を入れたバケツ」を置いておくこと。

焚火を始めると、突風が吹いたり薪が爆ぜたりして、思いがけず火の粉が飛ぶことがあります 。焚火の周囲に燃えやすいものは置かないことが大前提ではありますが、万が一、枯れ葉やテント、洋服などに火が移ってしまうかもしれません。そのとき、咄嗟に消火できる準備があるだけで心に余裕もでき、落ち着いて対処することができます。
「消火バケツを用意してから着火する」。これはタキビストとしての絶対のルールであり、大前提のマナーです 。

焚火をこよなく愛するタキビスト、周囲の方や周辺環境にも配慮しながらスマートに火を焚いていきましょう。

焚火デビューを飾る「三種の神器」

バケツの準備ができたら、いよいよ焚火のセッティングです。スマートに焚火を楽しむために、私がおすすめする「三種の神器」をご紹介します。

1.焚火台

現在、多くのキャンプ場で、地面に直接火を焚く「直火」は禁止されています。
理由はさまざまですが、きれいに芝生を敷いたキャンプ場では芝生が焼けて枯れてしまうこと、火の後始末が適切でないと火災の恐れが高くなること、ほかにはマナーが悪い人が多くなってキャンプ場が汚くなるからといった残念な理由も。

そこで必須になるのが、焚火台。
焚火台を使えば、後片付けもしやすいという利点もあります。

焚火台は、円形のものや長方形、多角形など、さまざまな形のものがあり、大きさも多様です。材質も、ステンレスやスチール、メッシュシートなどがあり、サイズ、形、材質の組み合わせは、どれも違います。
ソロキャンプかファミリーキャンプか、車で行くか徒歩で行くか、焚火で調理をするかどうかなど、自身のキャンプスタイルに合わせて選びましょう。

薪が燃えやすい焚火台もあるので、そういったものを使えば焚火もやりやすくなります。

ヨコナガメッシュタキビダイは燃焼効率◎

2.焚火シート(防炎シート)

焚火台の下には、「焚火シート」を敷きましょう 。焚火台を使っても、火床から地面までの距離が近いと、熱が地面に伝わって熱くなります。また、焚火台の隙間から細かい火の粉、燃えている薪のかけらが落ちることがあります。

「来た時よりも美しく」が、カッコいいタキビストの第一歩だと思いませんか?

焚火シートは、地面を焦がしたり汚したりすることなく、美しい芝生を焦がさないための必須アイテムです。
ガラス繊維(グラスファイバー)製や耐炎繊維(カーボンフェルト)製の物などがあります。熱を反射させるために表面にアルミシートが重ねてある物もあります。

火床が低くて地面に近いタイプの焚き火台を使用する際には、断熱、遮熱性がしっかりとした素材を選んだり、重ねたりすることで、地面の芝を焦がさないように注意しましょう。


3.火消壺

楽しい時間の終わらせ方も重要です。焚火の終わり際に大活躍するのが「火消壺」。
燃やし尽くせずに残った炭状になったもの、燃え尽きずにちょっと残ってしまった薪などをこの壺に入れてフタを閉めれば、酸素が遮断されて安全に鎮火できます。入れた直後は、缶が熱々になっているのですぐには仕舞えません。時間に余裕を持って片づけましょう。
火消壺に入れて鎮火した消し炭は、そのまま次回の焚火で再利用できます。
消し炭は、薪よりも燃えやすいので、火も点けやすくて便利です。捨てずに、次回の焚火のために取っておきましょう!


いざ実践!スマートな焚火の育て方とマナー

道具が揃ったら、いよいよ焚火スタートです。以下のステップと注意点を守って、炎を育てていきましょう。

1.炎は「小さな火種」から育てるもの

いきなり太い薪に火を点けようとしても、なかなか点きません。小さな火種から徐々に育てていく必要があります。
焚火は、この「育てる」プロセスがめっちゃ楽しいんです!


準備する薪
①松ぼっくりや杉の枯葉、麻紐をほぐしたもの
②細めの小枝(5mmくらいのものから指1本分くらいの太さまで)などを集めたり、フェザースティックという細い薪を薄く削って、けば立たせたもの
③「②」より少し太い枝や薪。これが、焚火の間にくべていくメインの薪になります

材料がしっかりと集められていないと、「あ!火が付いた!」となった後に慌てて燃えやすそうな小枝を探すことになり、探している間に消えてしまってやり直しという悪循環に。
だからこそ、最初の材料集めが肝心です。気持ち多めに集めておきましょう。

この①~③の準備がしっかりできていれば、焚火は成功したも同然です。

やり方


①に、マッチやライターで着火します。火打石やファイヤースターターという火花を散らす道具を使うと、より本格的です。

①は、すぐに燃え尽きてしまうので、燃えている間に②を慌てずにくべていきます。
くべ方のコツは、ガサガサっと雑に重ねるのではなく、ちょっとずつ薪をずらし、空気が入りやすいようにしてあげることです。
この空気の通り道を意識してくべるということを、この後に太い薪をくべていく際にも意識してください。

順調に小枝にも火が移ってきたら、③の少し太めの枝や、小割にした薪(指2本分くらいの太さ)を追加していきます。

それにも火が移ってきたら、さらにもう少し太めの薪をくべていきます。
ここまで育ったらもう大丈夫。安心して焚火をお楽しみください。

2.煙を抑えてきれいな炎を楽しむ

空気が入る隙間を意識しながら薪をくべて焚いていても、燃えている間にくべた薪が崩れて隙間が埋まってきます。
そうなると、空気の供給が悪くなり、不完全燃焼を起こして煙(燃え残りのガスなど)が発生します。くすぶっている状態です。
この時に火が小さくなったからと薪を追加すると、さらに隙間が埋まってしまい、空気の供給がさらに悪化する可能性も。

焚火がくすぶってきたときは、ますは空気を送ってあげましょう。
火ばさみを使って空気が入る隙間のない薪を少しずらしてあげると、それだけで炎が復活することもあります。
それでも復活しないときは、火吹き棒を使って空気を送ってあげると、炎が復活します。

火吹き棒の注意点として、吹いた後は、いったん口を離して息を吸ってから再度吹いてください。
口をつけたまま吸うと、焚き火周辺の熱気や煙が口に入ってきて危険です。

炎が復活したら、ちょっと薪を追加でくべて、きれいな炎を維持していきましょう。

3.「立つ焚火人跡を濁さず。」完璧な消火と後片付けが大切。

焚火で一番大事なのは、「後片付け」です。これができない人は、タキビストとは呼びません。ただの放火魔です。
この記事を読んでくださっているタキビストの皆さんは、寝る時間や撤収の時間から逆算して、薪を入れるのをストップし、最後は綺麗な灰になるまで燃やし尽くしましょうね。

「あー、ちょっと燃え残っちゃったな」という状況になっても、早く消したいからといって、熱い状態の焚火台に直接水をかけるのは絶対にNGです!
ジューっと蒸気で灰が舞い上がって危険ですし、大切な焚火台が急激な温度変化で変形してしまうこともあります。

ここで先ほど紹介した「火消壺」の出番です。
火消壺に燃え残った薪や灰を入れ、冷えるまで待ちましょう。

冷めた灰は、キャンプ場指定の灰捨て場に置いて帰れる場合もあります(各キャンプ場でご確認ください)。
絶対に、その辺に捨てたり土に埋めたりしないでくださいね。

自然の中で楽しませてもらったのだから、ちゃんときれいに後片付けして帰りましょう。
ここまでできたら、貴方も立派なタキビストです。

人生に、火遊びを。